3分で学ぶスポーツビジネス/マーケティングブログ

島根県出身。某K大学を卒業後、IT業界に勤めるアラサーのブログ。将来的にスポーツビジネスへの転職を目論み、日々情報収集を行っています。その整理・アウトプットとして記しています。

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「稼ぐが全て〜Bリーグこそ最強のビジネスモデルである〜」①

今回は、以前読んだスポーツ界の名著「稼ぐが全て」について感想等を気ままに書いてみたいと思います。
 

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この本は、今ではプロ野球Jリーグに次ぐプロリーグとしての立ち位置を確立しているBリーグの立ち上げやその戦略等について、公益社団法人ジャパン・プロフェッショナル・バスケットボールリーグB.LEAGUE)の葦原一正事務局長が著者ですが、今やスポーツ界にその名前を知らない人はいないと言っても過言ではないでしょう。
Bリーグ設立といえば、川淵チェアマンによる改革が思い浮かぶかもしれませんが、その大きな絵をここまで実際に形にしているのが葦原さんをはじめとしたBリーグスタッフの方々ではないでしょうか。
 
著者の葦原氏の経歴を簡単に書くと、大学卒業後は外資コンサルに勤め、その後オリックスDeNAプロ野球球団を経て現在はBリーグの事務局長として活躍されています。ポイントはやはり新卒で入った会社でビジネス感覚を磨き、満を持してスポーツ界に飛び込んだことだと思います。
 
まず、前半として下記のトピックについて書きます。

人材採用

そもそも、どのような経緯でBリーグが立ち上がったか、その背景としてバスケットボールのトップリーグが分断されていたことにあります。企業チームを主体とするNBLと、プロチームで構成されるbjリーグです。トップリーグが2つあったら、どちらがレベルが高いのかとか思うし、優勝してもイマイチ盛り上がらないですよね。そこで、FIBA国際バスケットボール連盟)がバスケットボールの普及・強化の観点から日本バスケ界のこの状況が好ましくないとして統合を望んでいましたが、両者の歩み寄りが実現できずついに国際大会への出場が無期限で禁止されてしまいます。
ちなみに、FIBAはサッカーでいえばFIFAのような組織、スポーツビジネス的にはIF(国際連盟)にあたります。
 
ここまでくると、さすがにまずいと思ったのでしょう。ここで川淵さんの登場です。わずか9ヶ月で、新リーグが誕生しました。ポイントは、2つのリーグの統合ではなく、全く新しいリーグを立ち上げたという点です。
以前から統合への動きはあったものの平行線のままだったことから新リーグ立ち上げに舵を切ったのだと思いますが、そうなると必要な人材像も変わってきますね。Bリーグは基本的に旧リーグからは採用しなかったようです。そのまま迎え入れるとどうしても既存の延長線上になってしまうし、時間もかかってしまいますからね。スポーツ界においてドラスティックな変化が起きるタイミングというのは何か危機的な状況下において、外部から優れたリーダーを招き入れたケースが多いと感じます。
 

リーダー論

第二章では、葦原氏がBリーグ立ち上げ期に川淵チェアマン(当時)と仕事をするなかで得た気づき等が書かれています。
川淵さんといえば「独裁者」のイメージが強いかもしれませんが、強力なリーダシップを持ちつつも「人たらし」とのこと。また、この仕事で報酬をもらっていない点は知らず私はびっくりしました。この章を読んで、川淵さんは熱量とそれに基づく行動力がありすぎて、ひとつの見え方、特に外から見て「独裁者」に見えるのかなと思いました。
また、「川淵語録」が書かれており、スポーツに限らず今後のビジネスマンとして生き残っていくなかで重要だと思ったので、こちらに引用します。
・「走りながら考えろ」:とにかくスピードありき、行動をおこせ
・「お前たちで考えろ」:当事者意識
・「今までがどうだとか絶対に言うな」:既存の枠にとらわれない
 

事業戦略論

Bリーグの事業戦略を考えるにあたり、葦原氏は日本のプロ野球アメリカ・メジャーリーグの事業規模の差とその要因を分析したようです。やはり、ベンチマーキングとそれを自身の環境に合わせてカスタマイズしていくことが大事ですね(言うは易く行うは難し、ですが)。
そこで着目し、戦略の指針として取り入れたのが「権益の統合」と「デジタルマーケティング」。
プロ野球Jリーグに追いつき、追い越すためにこの2つを掲げましたが、特に面白いと思ったのでデジタルマーケティングでデータをリーグで統合した点です。統合してたくさんデータを集める、そして仮説と照らし合わせてアクションプランに落とし込むということを徹底して実行しているのが伺えます。権益にしてもデータにしても「統合」は新しく創設されたリーグだからこそなせる業だと思います(プロ野球がそうなるイメージはあまりないですよね)。
プロ野球だと応援しているチームのアウェーの試合を観戦する場合は相手チームの窓口で購入するし、データはチームで管理していますが、Bリーグのこの仕組みなら全てのデータが把握できるので、マーケティング戦略に活かせそうですね。
 

マーケティング戦略

マーケティングを行ううえで重要なターゲティング。Bリーグは「若者」と「女性」を重要なターゲットとして定めました。これもデータに基づくものですが、この属性の方々は「集団観戦」をする傾向にあったようです。また、上記とも関連しますが新規ファン獲得のためには、Bリーグのコアファンからいかに周りの人たちを巻き込んでもらえるかが重要だと考え、コアファンが思わずシェアしたくなるようなコンテンツを提供する戦略を考えました。そして、その基盤となるのが「スマホファースト」の考え方とSNSBリーグSNSを見ながらその狙いを考えたりしてみると色々な発見があります。
新規ファン獲得の考え方、そしてそのために何が必要か、改めて勉強になりました。
 
ここに書ききれないこともたくさんありますが、みなさんも是非手にとって読んでみてください。