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スポーツビジネスを勉強できるマーケティングブログです。島根県出身で現在は相模原市在住。普段はSEをしているアラサーが将来的なスポーツビジネス参画を目論み、インプットしている内容を記事にしています。

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放映権とは ~仕組みや重要性、近年のトレンドを解説~

ついに令和時代に突入しましたね。私にとっても初めての改元、日常の延長線上のような、元日のような不思議な感覚です。
平成は平成で様々なことがありましたが、令和ではいよいよスポーツビジネス界に参入していきたいと思っています。引き続き、自身の整理としてこのブログも頑張っていきたいと思います。

放映権とは

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ではでは、本題に入りましょう。そもそも「放映権」の定義ってどんな感じでしょうか。一般的には、◯◯権というと法律等で規定されているように感じますよね。
一応、Wikiの定義を引用しておきます。
放映権(ほうえいけん)とは、主にテレビ局でのテレビ放送において、他社から借り受けたり配給されたニュース素材・放送番組や、スポーツ・イベントを独占的に放映できる権利のことを指す。ラジオ放送の場合は、放送権と言う場合が多い。
 
しかしながら、これは私も初めて知ったときは驚いたのですが、この権利を規定する法的本拠はないそうです。では、どのような権利が「放映権」のもとになっているかというと、それがどうやら「施設管理権」だそうです。たとえば、球場をそもそも「所有」している、あるいは所有はしていないけど事業権を獲得し「専有」することで、放送局に対して「どこそこにカメラを設置して撮影・放映していいですよ」という権利を売って収入を得られるわけですね。
とすると、昨今の球場・スタジアムをチームが所有しようとする動きも頷けるのではないかと思います。
 

なぜ、放映権が重要なのか? ~貴重な"ライブ"コンテンツ~

なぜ放映権が大切なのか、特に放送局側の視点に立って簡単に解説します。
従来のテレビ視聴率が低下している一方、インターネットの発達やスマートフォンの普及などでオンラインでのコンテンツが爆発的に消費されるようになっています。あらゆるコンテンツが"見たい時"に、場所に制約されず視聴できるようになっています。テレビ放送にしても、録画関連の機器が充実し、"ライブ"で視聴する機会は減っています。よって、録画放送ではCMは早送りされるのもあり、番組の広告価値が薄れています。これは放送局には死活問題です。
そのなかで、いわゆる"オンデマンド"の視聴と"ライブ"の視聴で価値が大きく異なる数少ないコンテンツがスポーツ中継です。スポーツ興行の醍醐味は、やはりその「ドラマ性」にあり、結果が分かっている試合を後からじっくり見る人は、現代の忙しい社会において少ないでしょう。バラエティー番組などと異なり、"ライブ"でこそ価値を発揮するコンテンツがスポーツ中継であり、その放映権の価値は相対的に高まっています。まだまだコンテンツ価値、そして広告としての価値も高いものとして、プロスポーツの放映権は特に海外では巨額の契約がなされており、放映権・スポーツコンテンツを巡る争奪戦が勃発しています。
 

放映権はどのように活用されるか

試合中継をどのように戦略的にファンに届けていくか、これを突き詰めることが重要です。一方で、球団の収益を左右する放映権をどれだけの価格で放送事業者に売るかという点も大事です。たとえば、特定の放送事業者に対して「独占」という形で放映権を売れば、その球団のファンはその放送事業者のサービスに加入する人が多くなるため、放映権を高く売却できる一方、試合中継を届けることが難しくなります。逆に「独占」ではなく複数の事業者に対して放映権を売る場合、1社あたりの金額は安くなるでしょう。
あるいは、特定の事業者に放映権を売却したうえで、2次利用を許可するかどうかも戦略的に考える必要があります。たとえば、放送局に対して2次利用を認める形で放映権を売却し、その事業者が制作した映像をインターネット中継の事業者に利用権を認め、対価をもらうといったケースもありえます。この場合、球団としては2次利用も認めて高い金額で放映権を売却でき、かつ取引した事業者から他の事業者にも放映権が流通するので多くのファンに試合中継を届けることができます。
この他にも、特定のエリアでのみ放映権を認める売り方(プロ野球でいえば広島カープのホームゲームは広島エリアでしか見れないなど)、ライブ中継ではなく録画のみ認めるなど、条件を設けながら流通させることもあるといわれています。
 
DAZNとJリーグの放映権契約の是非
最近の面白いケースとして挙がるのは、DAZNとJリーグの長期にわたる多額の放映権契約です。Jリーグの放映権を一括販売で10年2100億円の契約で、これが各クラブに対して分配されます。元々、スカパーがJリーグコンテンツを抱えたいたのが、DAZNに結果的に集約され、放映権の金額も非常に高くなりました。DAZNから2次利用の交渉をしていたことから、2次利用可の独占的な契約であったことが推察されます。10年の間に放映権の価値が年210億円を超えていく場合、結果として10年契約の縛りがデメリットになりえますが、基本的にはJリーグ全体の収益拡大につながると捉えてよいでしょう。

Jリーグの放映権について|DAZN一強の理由とは?│HALF TIME Magazine

 

リーグで一括販売した方がいいのか?
放映権では、よくリーグで一括管理すべきかどうかが議論されています。たとえば日本のプロ野球の放映権と、メジャーリーグ(MLB)の放映権の金額に大きな差が出ているため、MLBを見習って一括にすべき、とする意見がよく挙がっています。しかし、そもそも日米ではテレビ視聴などの習慣・環境が異なることもあり、リーグで一括しても高く売れるとは限りません。あくまで成功要因の一部を切り取っているだけであり、そのまま真似するのはナンセンスでしょう。

www.itsportsbiz.work

この記事でも解説したように、アメリカではそもそもお金を払ってテレビを視聴する習慣があるため、リーグ一括の放映権も確かに高く売れますが、各チームが地元の放送局と長期で高額な放映権契約を結び、これが球団の収益源になっています。一方、日本の地上波放送は無料で視聴することができるため、そもそも放映権がアメリカほど高く売れないのは無理ないことなのでしょう。

 

 

放映権に欠かせない著作権の帰属について

本題とは少しずれますが、できあがった映像の著作権をどのように処理するかが大事なポイントだそうです。これがそのままテレビ局に流れてしまうと、せっかくも映像コンテンツをみすみす逃してしまうわけですね。この著作権を球団が保有しているからこそテレビ中継のみならず、ネット配信や試合映像から切り出してハイライトや特集動画を作成できるということになります。となると、著作権が球団に帰属されるような座組にすることが肝要といえそうです。
また、著作権を有していないが故に特にアウェーの試合の映像をコンテンツとして利用しづらくなっています。公式戦の半分はアウェーの試合なので、記録達成の瞬間や優勝の瞬間など、オフシーズンなどのコンテンツとして使いたくても、それが実現しづらい、あるいは余分にコストがかかってしまいます。これは放映権の一括管理にも通ずるところですが、パ・リーグは各球団がアウェーの試合でもハイライト映像をSNSなどで利用できている一方、セ・リーグではホームゲームの試合映像しかコンテンツとしてファンに届けられていない現状を見ると、放映権や映像の著作権の戦略的な設計が重要であるということがよくわかります。
 

最後に

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