3分で学ぶスポーツビジネス/マーケティングブログ

島根県出身。某K大学を卒業後、IT業界に勤めるアラサーのブログ。将来的にスポーツビジネスへの転職を目論み、日々情報収集を行っています。その整理・アウトプットとして記しています。

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「合成の誤謬」とスポーツビジネス

みなさん、「合成の誤謬」という言葉をご存知ですか?
私は、この言葉を大学時代に知ったのですが最近ふと思い出しました。当時、理系の学生だったのですが行動経済学的なところから経済学にも興味が湧き、少し授業を受けていました。これが、スポーツビジネス、特にガバナンスの面で当てはまる部分があると感じているので、それについて今回は書きたいと思います。
 

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「合成の誤謬」とは

言葉自体の説明はWikiにお譲りします。説明だけだとイメージしずらいかもしれませんが、恐らく皆さんの周りでも起きていることでしょう。「国」「企業」「部署」「リーグ」「チーム」等、大きさは違えど「組織」では十分起こりうる問題ですね。
合成の誤謬とは、ミクロの視点では正しいことでも、それが合成されたマクロ(集計量)の世界では、必ずしも意図しない結果が生じることを指す経済学の用語。
 

どのような文脈で「合成の誤謬」を学んだか

少しうろ覚えな部分はありますが経済政策の内容で、「インフレ/デフレ」がなぜ起きるのか、という授業でした。そのうち特に覚えているのが「なぜデフレが起きるのか」です。
概念的な話にはなりますが、デフレというのは大元をたどると「需要<供給」の状態があり、これによってモノやサービス等の価値が下がり、交換手段である貨幣の価値が相対的に上がります。貨幣の価値の方が高いということは、消費より貯蓄した方が合理的です。しかし、消費より貯蓄ということは一層「需要」が減少し、供給過多に拍車がかかります。
何が「合成の誤謬」かというと、個人レベルでは極めて経済合理的な行動をとっているにもかかわらず、マクロレベルではデフレが解消するどころか、より悪化してしまうという点です。しかし、個人に対して「非合理な行動をせよ」と押し付けるのは現実的ではありません。だからこそ、個人がそれぞれ合理的な行動(この例でいえば、消費抑制・貯蓄)を取ったとしても、政府としてはデフレ脱却に持っていけるような政策(簡単な例だと公共事業、金利引き下げ、規制等需要を喚起し供給を抑える)をしていく必要がある、という内容でした。
※前提として、私は経済政策等の専門家ではないですが、いわゆる「ゆるいインフレ」を理想状態としています。
 

スポーツビジネスに応用すると・・・

以前からお話ししているように、特に野球やサッカーを始めとしたリーグ型(大半はそうだと思いますが)のスポーツビジネスにおいては、上記のような「合成の誤謬」が起こりえます。極端な例を取ると、ある球団が資金力が豊富であるが故に有望選手を獲得しまくり、毎年優勝したら、リーグ全体としてはいかがでしょうか。スポーツは、贔屓チームを応援しながらも、「どちらが勝つか分からない」「何が起こるか分からない」からこそ、生で観て多くの人が感動するなど、価値が高まる性質があるといえるでしょう。とすると、1チームが己の利益のためだけに行動を取るとリーグ全体としては価値が下がるケースもありえます。
だからこそ、「政府」のように「リーグ」が、各チームが全体最適な戦略を取るように、あるいは個別最適な戦略を取ったとしても全体最適になるようなガバナンスモデルが必要とされるのです。
今回は「リーグ」と「チーム」を例に出しましたが、競技全体、たとえばバスケットボールの国際連盟FIBAと各国のバスケットボール連盟の関係においてもこのようなガバナンスを意識する必要があるでしょう。あとは、最近ニュースでも話題になっているUNIVASについても同様のことがいえますね。
※この記事に関してはいずれ踏み込んでみたいと思います。
 
実際の具体例としては、MLBの戦力均衡(完全ウェーバー制ドラフトや贅沢税など)は上記を踏まえた施策といえるのではないでしょうか。