スポビズ研究所

スポーツビジネス勉強日記です。島根県出身で現在は相模原市在住。普段はSEをしているアラサーがスポーツビジネスについて語ります。

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【プロ野球】2020年は消化試合が多くなる?

本日より消費税増税ですね。私は、駆け込みで通勤定期を購入しました。

これからじわじわとお財布が傷めつけられていくわけですね…スポーツ産業への消費に大きな影響が出ないこと

を願います。スポーツ産業含むエンタメは、必需ではないので景気がが悪くなったりすると支出を削る対象になりがちですよね。

 

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そもそも、「消化試合」とは

簡単に、「消化試合」の意味合いについておさらいしておきましょう。

消化試合とは、リーグ戦を前提としたスポーツ・競技において、その試合の結果に関わらず、すでにリーグ戦の順位が確定している状態で行われる試合です。プロ野球でいえば、すでに優勝チーム(+CS進出チーム)が決定しているなかで行われる試合です。

その1試合の結果が優勝にはつながらないため、たいていの場合は次シーズンに向けて若手選手を試したり、個人成績のために通常と異なる起用法をしたり、といったことが起きます。本来はプロの高いレベルの試合を観たいファンにとっては物足りない点もありますが、一方で個人の記録や若手選手の成長を楽しみにしているファンも多く、一概に良い悪いはいえません。

ただ、本ブログで繰り返し述べているように「消化試合」をできるだけ減らすリーグガバナンスが重要であることは間違いありません。MLBが「戦力均衡」にこれだけこだわるのも「消化試合」を減らしたい意図があります。

 

消化試合が非常に少ない2019年シーズン

さて、少し脱線してしまいましたが、昨日の阪神vs中日の試合をもってプロ野球も2019シーズンが終了しました。阪神が見事6連勝で締め、逆転でCS出場が決まりました!

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20191001-00556118-fullcount-base

このように、今年はセ・リーグ、パ・リーグともに優勝・CS出場チーム決定までかなりもつれた印象があります。

・セ 巨人優勝:9/21

・セ CS決定:9/30

・パ 西武優勝:9/24

・パ CS決定:9/24

ちなみに、パリーグは9/24に同時に全順位が決まる珍しい事態となりました。

t.co

 

ここまで優勝・CS争いがもつれるということは、「消化試合が少なかった」ことを意味します。

消化試合が少ないということは、当然観客動員数の増加につながるでしょう。来年を見据えた若手起用中心の試合も面白いですが、やはりプロである以上真剣勝負を観たいはずです。シーズン終盤、順位を懸けた極度のプレッシャーのかかる試合の方が興行としての価値は高いですよね。

昨日の試合は、月末の平日、しかも普通は試合のない月曜日にもかかわらず46,000人以上も動員したようです。まあ、鳥谷選手が阪神の選手としてはラストゲームかもしれない、ということが大きかったかもしれませんが。

 

このような結果は、リーグとしては成功といえるでしょう。チームの戦力が結果的に均衡し、ファンを盛り上がらせるようなシーズンでした。

しかし、ここで重要なのは、この均衡が「各球団が全力でシーズンを戦い抜いた結果として」生まれたものだということです。

ある球団が、たとえばギリギリで優勝を狙って観客動員数を増やす、といったことはできないわけです。それができてしまうようなプロ野球だったら興ざめですね。

あくまでもアンコントローラブルな結果ということを鑑み、ビジネス側としてはコントロールできる要因をしっかりと振り返り、今年の数字に浮かれずにPDCAを回していくことが大切ということでしょうかね。

優勝したいと思っても、主力選手の怪我や期待通りのパフォーマンスを発揮できない、助っ人外国人の帰国…などなど計算外のことは必ず起こります。

そこに依存せず、確実にファンに球場に来てもらう、応援してもらう、そして結果として収益をあげ、チームやファンに還元していく。

この誰もが分かるような基本をしっかりと実行するのは外部の人が想像する以上に難しいことなんだと思います。

 

消化試合を減らすには・・・?

2019年のプロ野球は、結果として消化試合が少なかったのはご紹介した通りです。CSの導入によって、消化試合が大きく減り、2019年は3位争いが最後までもつれたのですが、もっと根本的に消化試合を減らすにはどうすべきでしょうか?

まず考えられるのは、そもそものシーズンの試合数自体を削減することです。ただ、試合数が減少すれば単純に収益も減少するので、消化試合を抑え1試合あたりの価値を保ちつつ、試合数も減らしすぎない、バランスが重要になります。

もうひとつは、試合数を減らさずとも順位争いが極力もつれるようにリーグとして設計する方法。ひとことでいえば、「戦力均衡」です。

これらはアメリカのプロスポーツが参考になります。MLBは162試合もありますが、「ぜいたく税」などの導入により、リーグ内の戦力がある程度均衡になるようになっています。お金をかければ有力選手を獲得できますが、チームの総年俸が高いと「ぜいたく税」を支払う、というルールにすることで資金に任せて選手を集める動きを抑制します。

一方、NFLやNBAはシーズンの試合数は多くありません。野球とは異なる競技の特性上、という部分もあると思いますが、試合数が少なければその分消化試合は少なくなります。また、1試合の価値が非常に高く、チケット単価を高額に設定できるのです。

このように、リーグの設計次第で消化試合を抑える工夫は可能といえます。プロ野球は、MLBを参考にクライマックスシリーズを導入していますが、その他にも消化試合を抑える工夫をどのようにしていくのか、今後も注目です。

 

コロナの影響でCSが大幅縮小・・・消化試合増が確実な2020年

2019年は、両リーグともに優勝争い、CS争いが拮抗し、消化試合が非常に少ないシーズンでしたが、2020年はどうしても消化試合が多くなると見込まれています。新型コロナの影響によりシーズン開幕が大幅に遅れ、パ・リーグでは1位と2位のチームによるファイナルシリーズのみ、セ・リーグに至ってはCSの開催が中止されたからです。

news.yahoo.co.jp

 

これは、2020年のプロ野球において消化試合が多くなることを意味します。レギュラーシーズンの優勝チームが日本シリーズに進めないことも多く、否定的な意見も多いCSですが、ビジネス的な観点ではやはり外せないでしょう。しかし、コロナの影響で2020年はほとんどCSがないのです。

よって、優勝が厳しくなったチームは例年はCS進出を目標に戦いますが、2020年は優勝が難しくなった途端に次のシーズンを見据えた戦いになるでしょう。そもそもが、2020年は満員の観客を動員するのが難しいため、コロナを前提とした収益においてはあまり影響は出ないかもしれませんが、やはり真剣勝負があってこそスポーツエンタメとしての醍醐味があります。その意味で、消化試合が増えることでファンが離れないよう、対策は必要でしょう。

 

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