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スポーツビジネスを勉強できるマーケティングブログです。島根県出身で現在は相模原市在住。普段はSEをしているSEが将来的なスポーツビジネス参画を目論み、インプットしている内容を記事にしています。

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コロナが浮き彫りにする"プロ野球"のガバナンス体制

先日、Newspicksより興味深い記事が出ていました。

newspicks.com

プロ野球におけるリーグや球団の関係性について、コロナへの対応から見えてくる部分があるとのことです。なお、ここでの「リーグ」はセ・リーグやパ・リーグだけでなく、いわゆる"NPB"も指します。

 

 

「球団」が先頭に立ってビジネス規模を拡大してきた

現在の「プロ野球」はもともとの成り立ちがリーグではなく「球団」から生まれた経緯があります。

ja.wikipedia.org

そして、それはビジネス面においても同様です。よくMLBと比較されますが、MLBはコミッショナーが非常に大きな権限を持ち、ファンや収益の拡大に責任を持つ一方、MLBがトップダウンでビジネスを推進します。たとえば、放映権についてはMLBがテレビ局と包括的な契約を結び、その放映権収入は30球団に配分されます。

※もちろん、球団ごとに地元テレビ局との契約もあります。

 

 

球団の権限が強いプロ野球のガバナンス

一方、NPBではコミッショナーの権限は相対的に弱く、あくまで12球団のオーナー会議で決定した事項の執行などに責任を持ちます。野球協約にもそれは明記されているのです。

【コミッショナーは、日本プロフェッショナル野球組織を代表し、事務職員を指揮監督してオーナー会議、実行委員会及び両連盟の理事会において決定された事項を執行するほか、この協約及びこの協約に基づく内部規程に定める事務を処理する。 (第8条-1】

【コミッショナーが下す指令、裁定、裁決及び制裁は、最終決定であって、この組織に属するすべての団体及び関係する個人は、これに従う。 (第8条-3)】

http://jpbpa.net/up_pdf/1523253145-022870.pdf

 

そのため、日本のプロスポーツにおいてトップの市場規模を誇るプロ野球は、各球団が独自に経営努力や新しい取り組みを推進してきた歴史があります。MLBのビジネスモデルや収益規模の違いから、よくMLBのようなモデルの導入が叫ばれますが、日本型のビジネスモデルが必ずしも悪いとはいえません。事実、球団ごとに特色のある取り組みが生まれ、成功している例やこれから楽しみな例もたくさんあります。

球団独自の取り組み例

・西武:公式女子野球チーム「埼玉西武ライオンズ・レディース」

www.itsportsbiz.work

 ・チケットリセールサービスの開始

 

www.itsportsbiz.work

 ・楽天:スタジアム内の宿泊施設

www.itsportsbiz.work

 

これらの新しい取り組みは、地域特性や親会社の事業特性なども踏まえ、スピード感を持ってスタートしています。リーグによるトップダウンでは、仕組みや制度を整えるのに時間がかかり、どんどん市場に新しいサービスを投下していく試みが難しいデメリットがあります。

Withコロナ時代のガバナンスモデルをどう考えるか

今回のコロナウィルスの広がりにより浮き彫りとなったのが、ばらばらなプロ野球のガバナンスモデルのデメリットといえるかもしれません。平時であれば、各球団の経営努力に委ね、結果としてプロ野球のビジネス規模を伸ばしていくのが日本的には最適であったかもしれません。一方、球団への依存は、たとえば感染防止を目的とした球団の活動自粛などの措置がバラバラで、不公平感にもつながっているのも事実です。本記事では深追いしませんが、「一般社団法人日本野球機構(NPB)」と「日本プロフェッショナル野球組織」、および各球団のガバナンスにおける関係性について見直しが入る可能性はあるでしょう。事業面と運営面などの観点で切り分けながら、Withコロナ時代のプロ野球のガバナンス体制を改善していくことが求められています。

 

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