スポビズ研究所

スポーツビジネス勉強日記です。島根県出身で現在は相模原市在住。普段はSEをしているアラサーがスポーツビジネスについて語ります。

MENU

『スポーツマーケティングとは?』を徹底解説

新型コロナウィルスの影響により延期にはなっていますが、東京五輪の開催もあり、「スポーツマーケティング」への注目が高まっています。「スポーツビジネス」と同様、最近よく耳にする言葉のひとつではないでしょうか。一方で、具体的に何が「スポーツマーケティング」なのか、漠然としたイメージしかない人も多いかもしれません。本記事では、この「スポーツマーケティングとは」について2つの視点から解説したいと思います。

f:id:it_sports_biz:20200802180110p:plain
 

 

スポーツマーケティングとは?スポーツビジネスとの違いとは?

スポーツマーケティングとは、簡単にいえばスポーツが持つさまざまな価値を活かして行うマーケティング活動を指します。「マーケティングとは」に対する答えが漠然としがちなように、ひとことで「スポーツマーケティングとは」を説明するのは非常に難しいです。ただ、このスポーツマーケティングについて2つの視点を考えてみるとより少し解像度が上がるでしょう。

 

それは、スポーツチームや団体がコンテンツホルダーとして行うマーケティングと、一般企業がスポーツを活用して自社のマーケティングに活かす、この2つです。両者に共通するのは、いずれも自チームあるいは自社のファンを増やす、あるいはエンゲージメントを高めるための活動である点です。

 

具体的にイメージしやすい例を挙げると、前者はWebやSNSなどでファンに対してチームや選手の魅力を発信し、ファンを増やしたり、より応援してもらえるようにしたり。

 

後者でいえば、球場・スタジアムで頻繁に目にする企業の広告が典型的な例です。スポーツを活用して自社やサービスへの認知度を高める、あるいは売上につなげていくことが目的になるでしょう。自分が応援するチームをスポンサーしている企業に対してマイナスな感情を持つ人は少ないでしょう。

 

<スポーツ人材におすすめのエージェント>

 

スポーツマーケティングとスポーツビジネスの違いとは?

この2つの言葉は混同されがちですが、あまり違いについては意識しなくてもよいでしょう。強いていうならば、スポーツマーケティングはスポーツビジネスに含まれる概念であり、テレワークと在宅勤務のような関係性でしょうか。「スポーツビジネスとは」については別記事で詳しく解説しているので、ご参照ください。

www.itsportsbiz.work

 

「スポーツマーケティング」という言葉の特異性

「スポーツマーケティング」という言葉は、よくよく考えると少し変わった構造であるといわれています。というのも、「デジタルマーケティング」や「BtoBマーケティング」など「〇〇×マーケティング」呼ぶ際の〇〇には、基本的に「手段」にあたる言葉が入るからです。「スポーツマーケティング」は、〇〇の部分が「スポーツ」という商品になっている珍しい例です。

 

スポーツマーケティングの材料となる「価値」とは?

「スポーツマーケティングとは」の項で「スポーツが持つさまざまな価値」という表現をしましたが、具体的にどんなことがスポーツならではの「価値」になるのでしょうか。

 

スポーツマーケティングの原材料①:スポーツは大人数かつ多様な人々を惹きつける

特にプロ野球を思い浮かべると分かりやすいのですが、1試合平均で2万人から3万人のファンを動員する、その集客力が大きな価値のひとつでしょう。年間で70試合もあるホームゲームでこれだけの人数を動員する「コンテンツ」は、スポーツの他のエンタメも含めて見当たらないのではないでしょうか。

 

コンスタントにこれだけの集客力があるからこそ、たとえばスタジアムでの広告価値、あるいはメディアを通じての露出価値があるといえるでしょう。

 

スポーツマーケティングの原材料②:ファンの高いエンゲージメント

単に集客力があるだけでなく、ファンの熱量の高さもスポーツが持つ価値のひとつです。要は、「広く浅く」ではなく「広く深く」といったところでしょうか。たとえば、ホームゲームに何回も観戦しに行くだけでなく、アウェーの試合にもお金をかけて遠征したり、応援している選手のグッズをたくさん購入したり。「必需品」とは決して言えないスポーツという「商品」に対し、感情面での豊かさと引き換えに多くのお金を落としてくれるのがファンという存在です。1試合に対して、同時に数万人がスタジアムに集まり、かつスタジアム外にもテレビやインターネット中継を通して「リアルタイム」でファンが集まる、このようなエンゲージメントの高さがスポーツマーケティングを行う醍醐味にひとつといえます。

 

ファンが持つ大きな熱量に対してスポーツチームとしての価値を提供しながら、時には間にスポーツを活用したマーケティングを展開したい企業も組み込みながら、収益をあげていくのもスポーツマーケティングです。

 

「スポーツマーケティングとは」を理解する2つの視点

冒頭にも触れた2つの視点を理解することで、解像度が高まるでしょう。

スポーツマーケティングの視点①:ファンを増やすマーケティングとは

まずは、スポーツチームや団体、言い換えれば「コンテンツホルダー」の視点に立った「スポーツマーケティング」です。ポイントは「いかにファンを増やすか」になります。最近目立つところでは、SNSを活用してファンを増やす、あるいはファンのエンゲージメントを高める取り組みがたくさん行われています。

 

2020年についていえば、コロナの影響で観客動員数に制限があるため、ほとんどのファンが球場やスタジアムに足を運ぶことができません。そのなかで、試合中継はもちろん、その他にもファンが喜ぶようなコンテンツが求められており、コンテンツホルダーとしてのスポーツマーケティングにおいて、SNSの活用の重要性は増しています。SNSについては後発だった読売ジャイアンツが今ではこれだけYoutubeやInstagramを活用していることも、その裏返しといえるでしょう。

 

アスリート×SNSについては、以下の書籍が参考になります。

レッドブル元CMOが明かすブランドファンの獲得術を大公開! エアレース、BMXフラットランド、フリースタイルモトクロス… 数々のマイナースポーツを創成期から支え、ともに成長を続ける、 レッドブルのスポーツマーケティングと信念に迫る!

 

ちなみに、「ファンを増やす」の部分にファンのエンゲージメントを高めることも含んでいます。そのロジックとしては、エンゲージメントの高いコアなファンが新規のファンを巻き込んでくれるという視点です。スポーツに限らず、新規顧客は永遠の課題である一方、直接的に効率良くアプローチするのは非常に難しいです。

 

一方、スポーツ観戦は複数人で行く場合も多く、1人のコアなファンが家族や友人を巻き込んでくれることで、結果的にファンを増やすことができるのです。いくら「デジタルマーケティング」が浸透してきているとはいえ、「口コミ」や知人の「おすすめ」に勝る動機づけはありません。スポーツマーケティングの鍵は、コアファンを起点に新規ファンを獲得していくことにあるといえます。

 

スポーツマーケティングの視点②:コーポレートマーケティングに活かす

今度は、視点をコンテンツホルダーではなく、一般的な企業に移してみましょう。特にtoCの商品やサービスを展開している会社からすると、多くのファンを抱えたスポーツチームは魅力的です。地域に根差した企業であれば、同じ地域のスポーツチームが抱えるファンは自社にとって顧客となりうる層です。

 

チームや選手とファンの強いつながりのなかで、自社の看板を露出することで、認知を広げることができ、これが伝統的なスポーツマーケティング(スポーツの価値を活用したマーケティング)です。もちろん、これだけでも球団やクラブ、そして企業にとってもメリットはありますが、スポーツに限らず単なる媒体広告の価値が見直され始めています。

 

そこで近年注目を浴びているのが、「アクティベーション」と呼ばれるスポーツマーケティングの一種です。スタジアム周辺のブースなどでスポンサーとなっている企業がサンプリングなどのマーケティング活動をしているのを見た経験のある人もいるのではないでしょうか。たとえば、自社のサービスに登録したファンのなかから抽選で選手のグッズが当たるといった企画もアクティベーションのひとつです。

 

このように、従来の広告としてのスポーツマーケティングから、企業がスポンサーとしての権利も活用した、より直接的なスポーツマーケティングの活動も活発になってきています。

 

情報が溢れ、機能だけでの差別化が難しい時代です。機能面で勝負するならば、そのカテゴリで1位にならないといけません。たとえば、Googleの次にすごい検索アルゴリズムは、極論するとあまり価値がありません。そのなかで、いかに自社を選んでもらうか、という理由を顧客に提供するために、「自分が応援するチームをスポンサードしている〇〇社」という「意味づけ」はスポーツマーケティングにおいても非常に重要です。

 

「広告枠」に依存したスポーツマーケティングの限界

伝統的な「スポーツの価値を活用したスポーツマーケティング」は、広告枠としての側面が強かったですが、少しずつこれが変わり始めています。アナログなマス広告中心の時代は、とにかく「認知」が目的で、広告主もそこまで「費用対効果」を厳しくみませんでした。しかし、費用対効果を測定しやすいデジタルマーケティング手法がこれだけ浸透しているなか、広告を中心としたスポーツマーケティングに対する姿勢がシビアになってきているのではないでしょうか。

 

ましてや、2020年の新型コロナウィルスの影響を受け、業績に悪影響が出ている企業も多いでしょう。とすると、費用対効果がよくわからない(媒体広告中心の)スポーツマーケティングは、企業からすると予算削減候補の上位に入ってくるでしょう。

 

企業側の担当者はスポーツマーケティングの費用対効果をしっかり測定していくことが重要なのは言うまでもないですが、スポーツチーム・クラブ側としても企業側のスポーツマーケティングに対する姿勢が変化していることは認識しておく必要があります。

 

今後のスポーツマーケティングに求められている視点

視点をスポーツから外して、少し広く世の中を考えてみると、インターネット技術の発達によって情報格差が小さくなり、あらゆる商品やサービスにおいて機能による「差別化」が難しくなっています。私が参考にしているキンコン西野さんの言葉を借りるなら、「キャラ経済」という一言に集約されますが、「人検索」の時代が到来しているといえます。

 

その文脈において、スポーツマーケティングはそもそもが選手の「キャラ」との関係も深く試合におけるパフォーマンスだけでなく、その裏側もファンと共有していくことが更なる収益化につながるのではないでしょうか。

 

また、特にひとつめの視点、つまりファンを増やすスポーツマーケティングにおいて鍵を握るのは、「映像コンテンツ」になります。SNSとの相性がいいのはもちろんですが、さまざまな切り口から自チームの映像を活用し、ファンに届けることができれば自ずとファンのエンゲージメントは高まります。

 

コロナで活動できていない期間に、映像コンテンツの重要性を再認識したチームも多いでしょう。そして、映像コンテンツをフルに活用するうえで押さえておくべきが「放映権」です。放映権については別記事で言及しているので、こちらもご覧ください。

www.itsportsbiz.work

 

スポーツマーケティング人材が求められている

解説した2パターンのスポーツマーケティングについて、いずれにせよ実行していくうえで重要なのがこれらのスポーツマーケティングを担える「人材」です。これはスポーツビジネス界の課題ともいえる部分ですが、プロ野球規模の球団であっても基本的には「中小企業」であり、その忙しさと比較して人材が潤沢とはいえないでしょう。

 

そこで、特に求められているのが、「スポーツを活用したマーケティング」を提案できるビジネスパーソンが一般企業側にいることです。もちろん、球団などスポーツ団体側からその価値を活かして企業のマーケティング課題を解決する提案をできるのが理想ですが、必ずしもマーケティングのプロがいるとは限りません。一方、スポーツマーケティングを活用できる一般企業は一定以上の規模であるケースが多く、マーケティング人材もスポーツ団体と比較して豊富でしょう。

 

このことからも、「スポーツマーケティング人材」をスポーツ業界の外でも育成していく動きがより広がる可能性はあると考えています。

 

スポーツマーケティングの成功事例

具体的な事例について簡単にご紹介します。

横浜DeNAベイスターズのアクティブサラリーマン戦略とは

ひとつめの観点の事例、つまりスポーツチームがファンを増やしていくマーケティングの事例として、横浜DeNAベイスターズのアクティブサラリーマン戦略をご紹介します。

経営面でも、チームとしても低迷していたベイスターズにおいて、DeNAの参入を機に経営面でも改革が始まり、マーケティングにも大きな変化が生まれました。それがアクティブサラリーマンになるのですが、簡単にいえばスポーツが持つ「価値」の訴求の仕方をずらしたということです。

 

プロ野球などのプロスポーツに対してどのような価値を感じるか、といった話にもなりますが、これを「プロの高いパフォーマンス」だけでなく、「プロ野球を酒の肴として友人や知人、家族との楽しい時間」をマーケティング上の価値として訴求しました。特に、ボリュームが多く、かつ経済的な余裕も出始めている中年のサラリーマンを起点に、ベイスターズブランドのビールも展開しながらファンを獲得していきました。そこに、チームとしての成績向上も相まって2010年代半ばから人気が急上昇しています。

「アクティブサラリーマン戦略」の詳細は下記もご参照ください。

www.itsportsbiz.work

 <関連書籍>

【ベイスターズを5年で再生させた 史上最年少球団社長が明かすマネジメントの極意】 ///////////////////////////////////////////////////////////////////// ビジネスパーソン必読! 球団経営はすべてのビジネスに通じる。

 

Bリーグのデジタルも活用したスポーツマーケティング

近年のスポーツマーケティングにおいて、やはり「Bリーグ」としての成功事例は注目されています。スポーツマーケティングにおいて、やはり焦点が当たりやすいのは「チーム」であり、リーグとしてのスポーツマーケティングが注目されるケースは稀です。

 

特にSNSを活用したファンとのコミュニケーションは群を抜いており、バスケットボールという迫力ある競技性・特徴も最大限に活かしながらコンテンツを届けています。SNS映えコンテンツを生みやすく、これがコアなファンからシェア・拡散され、新しいファンの認知・興味を獲得するという好循環を生んでいます。

 

また、チームを超えた楽しみ方ができるのも特徴で、たとえばファンに月ごとのMVPを選択・回答してもらうなど、幅広いバスケットボールファンを巻き込んだ企画も展開。これは、Bリーグとして権益を統合し、映像などの素材をチームの枠を超えて活用できてこそ実現できるスポーツマーケティング戦略です。

 

「カープ女子」によりファン層を拡大したスポーツマーケティング

こちらも、スポーツマーケティングの成功事例として外せません。もともと、広島で根強い人気を誇っていたプロ野球・広島カープですが、数年前から「カープ女子」を合言葉に、ファン層が急激に拡大しています。野球といえば男のイメージがあり、野球が好きなファンも自身がファンであることを堂々と発信できない現状もあったかもしれません。

 

しかし、「カープ女子」という言葉が広がり、女性ファンも堂々とカープを応援するようになり、カープ女子同士がつながったり、女性向けのイベントやグッズも充実しています。このような女性ファンを取り込むスポーツマーケティング施策と、2016年からのリーグ3連覇と成績向上が相まって一躍人気球団となっています。

 

さらに、特筆すべきは特に関東圏でもカープファンが増えている点です。神宮球場や東京ドームでも広島戦では赤いユニフォームやグッズも目立っています。広島球団としても、自らのスポーツマーケティング施策でファンが増え、直接あるいは間接的な収益増加につながっていますが、他球団としても入場料収入の増加につながっています。「リーグ」という視点でも、各球団がスポーツマーケティングに注力し、ファンを拡大することが、相乗効果をもたらすのです。

 

パ・リーグ主導のスポーツマーケティング

最近、個人的に注目しているのが『パシフィックリーグマーケティング(PLM)』が映像コンテンツを活かして行っているスポーツマーケティングです。

tv.pacificleague.jp

もともと、パ・リーグ主催の試合中継を閲覧できるサービスですが、その試合映像をさまざま角度から切り取ってコンテンツ化し、SNSやYoutubeに展開しています。リーグ全体の映像を活用できる座組ならではのコンテンツを活用したマーケティングで、うまくファンのエンゲージメントを高めている様子がSNSやYoutubeのコメントから伺えます。

 

Youtubeのコメントを観察していると、元々好きなチームや選手目当てでコンテンツを見ていたのに、気づいたら他の球団にも好きな選手、気になる選手が増えた、といった内容が散見されます。もちろん、本命のチームや選手があったうえでの話だとは思いますが、パ・リーグTVの地道なスポーツマーケティングが、結果としてリーグ全体のパイを増やしています。別記事でも触れたように、同じリーグは「ライバル」であり「同僚」です。特にビジネス面ではそのことを意識することで、より効果的なスポーツマーケティングを展開できるのではないでしょうか。 

 

特筆すべきは、試合のプレー映像だけでなく、試合の合間や試合前のふとした選手のふるまいなどをピックアップし、各選手のキャラを活かしながら、幅広いファン層にコンテンツを届けています。もちろん、ファンとしては応援するチームに頑張ってほしいのですが、パ・リーグTVのコンテンツがきっかけで今まで知らなかった選手について新しく知ったり、リーグ全体のパイが広がっていっている印象です。是非、パ・リーグTVのスポーツマーケティングに注目してみてください。

 

Jリーグ主導のデジタルを活用したスポーツマーケティング

Jリーグも、プロ野球と異なり、またBリーグと同様にリーグ主導の強いスポーツマーケティングを展開しています。そのうえで、デジタルマーケティングを有効活用しています。

 

組織構成としても、Jリーグ内にデジタル部門を担う部署があり、チケッティングやマーチャンダイジングを通して得られたファンやサポーターのデータを一元管理しています。それらのデータも踏まえ、Jリーグではサッカー観戦における購買行動を可視化しており、データも活用しながらファンをサポーター化するスポーツマーケティング施策やデジタルマーケティング施策を練っています。チケットやグッズ購入などのデータから、スタジアムに来場するサイクルや購買動機などからこのようなモデルになっていると推察できますね。

引用元:https://sports.yahoo.co.jp/column/detail/202002260009-spnavi

 

やはり、リーグ主導でのデジタルマーケティングを展開しているからこそ、量・質ともに優れたデータが入手でき、効果的なスポーツマーケティング施策につながっているといえます。ファンやサポーターの行動に関する仮説をもとに、大量のデータから検証できるのはJリーグが各クラブのデータも含め一元管理できていることが大きいのです。

 

スポーツマーケティングを設計するうえで参考になるのは?

「スポーツマーケティング」という言葉自体、意外と最近のもので、まだまだナレッジが蓄積しているとは言い難い部分もあるでしょう。そんなときは他の業界も含めベンチマークになるようなマーケティング事例を探すことも多いです。

 

その際に、どのような業界・特性のマーケティングを参考にすべきか、迷うかもしれません。たとえば、2つの視点のスポーツマーケティングいずれにせよ、「ファン」あってこそのマーケティングで、いわゆる「消費者」というくくりで消費財メーカーのマーケティング成功事例を探したくなるかもしれません。

 

もちろん、参考すべきところはありますが、スポーツに「感情」が関与する余地が大きく、かつ「非日常」を提供する点を考えると、消費財のマーケティングを参考にするのはベストではないかもしれないのです。

筆者は、ざっくりと分けてみると以下のようになると考えています。

スポーツマーケティング分類

そう考えると、参考にすべきは「エンタメ」の世界です。お笑いや音楽ライブ、アイドルや劇場、テーマパークなどなど・・・そこには必ず「ファン」の存在があり、似たような構造があります。スポーツマーケティングを考えていくうえで、この視点があると日々の情報収集等もより有意義になるかもしれませんね。

 

「メイキング」がスポーツマーケティングの醍醐味

別記事でも折に触れて書いている通り、筆者は「西野亮廣エンタメ研究所」のメンバーでもあります。ざっくりと説明すると、このオンラインサロンでは西野亮廣さんがさまざまなエンタメを仕掛けていく過程を目の当たりにしたり、そのなかでの気づきなども記事として読めたりできます。

 

表向きのメディアでも発信されているように、情報に溢れ、機能面での差別化が難しい現代では、「完成品」の価値が相対的に下がり、無料化するケースが増えています。

※実際、絵本「えんとつ町のプペル」はネットで無料公開している

どこでマネタイズするかといえば、それが「メイキング」です。「メイキング」はそれ自体にライブ性があり(つまり希少価値が高く)、スポーツマーケティングと通ずる部分があります。プロ野球チームのSNSで、試合前の声出しやオフショットが人気なのも、ある意味同じことです。

 

価値の高い「メイキング」は、まさにファンを増やし、エンゲージメントを高めるスポーツマーケティングの鍵になるのではないでしょうか。

 

スポーツマーケティングに特化した会社をご紹介

マーケティングに特化した会社はたくさんありますが、近年は球団やクラブの外部からスポーツマーケティングを中心に支援することを得意領域としている会社も増えています。

 

博報堂DYスポーツマーケティング

まずは、大手広告代理店「博報堂」の関連会社である「博報堂DYスポーツマーケティング」です。広告やプロモーションに大きな強みを持つ博報堂がスポーツ領域でそのナレッジを応用しているイメージでしょうか。マーケティングコンサルテーションやイベントプロモーション、プロパティ関連事業など、スポーツ領域において幅広く事業を展開しています。

株式会社博報堂DYスポーツマーケティング|トップページ

 

プラスクラス・スポーツ・インキュベーション株式会社

スポーツマーケティングにおいて、SNSやWebを通じたプロモーションやコミュニケーションが重要なのはすでに触れた通りですが、その領域において強みを持つのが「プラスクラス・スポーツ・インキュベーション」です。チームや選手のプロモーション映像など、かっこいいクリエイティブに強い印象です。他にもチケットやスポンサーなどの領域で幅広くスポーツマーケティングを支援しています。

プラスクラス・スポーツ・インキュベーション株式会社|スポーツマーケティングならPSI

 

株式会社スポーツマーケティングラボラトリー

名前からも想像できるように、「スポーツマーケティング」の「研究所」として、スポーツの未来を創造していくことを掲げています。球団やクラブなどのスポーツマーケティング支援に加え、スポーツ領域にソリューションを提供する企業へのマーケティング支援や、スポーツを活用したマーケティング戦略などについても支援を行っているようです。

SPOLABo(スポラボ)| 株式会社スポーツマーケティングラボラトリー

 

株式会社インターナショナルスポーツマーケティング

特にWeb領域に特化した、スポーツマーケティング会社です。1990年設立と歴史もあり、実績もたくさんあるでしょう。WebやEコマース、メディア事業やイベントにおける広告代理店機能など、この会社もスポーツマーケティングの幅広い領域を手掛けています。「スイーツマラソン」や「Sports Memorial Lab.」など、スポーツマーケティング会社でありながら、自社事業を展開しているのも特徴といえます。

株式会社インターナショナルスポーツマーケティング | iSM | WHOLE SPORTS CREATIVE COMPANY

 

クロススポーツマーケティング株式会社

「ゼビオ」というとピンとくる人も多いでしょう。スポーツ領域のリテール事業も軸としてありますが、スポーツマーケティング領域では特にデジタルマーケティングを活用している企業として知られています。ゼビオグループが保有するマーケティング上のデータベースを活用したプロモーションなどを行っています。他にも、スポーツライツビジネス事業として、「MLBドリームカップ」や「3×3.EXE PRIMIER」などの大会の運用、「ゼビオアリーナ仙台」の管理運営なども行っています。

クロススポーツマーケティング株式会社

 

株式会社サニーサイドアップ

スポーツマーケティングのなかでも「PR」に特化した会社です。「人を動かすPR」をコンセプトに掲げており、話題を作る技術やプランニングを活かしたスポーツマーケティングを展開しています。このナレッジや経験をイベントの開催やそのスポンサードなどにも活かしているのも特徴です。ちなみにですが、中田英寿とのマネジメント契約がよく知られています。

PR会社 | 株式会社サニーサイドアップ | SUNNY SIDE UP Inc.

 

スポーツマーケティングを学べる場をご紹介

最近はSNSも含めオンラインで色々な人とつながれる時代で、その趣向によってコミュニティも形成されています。スポーツマーケティングに関しても従来のセミナーやスクール、コミュニティに近い形も含め学べる場が充実してきています。すでにスポーツマーケティングの現場で活躍している人、今後関わっていきたい人などがスポーツマーケティングを学べる場をいくつかご紹介します。

 

世界含めスポーツマーケティングの最前線を走る満田さん主宰のMSBS

電通でオリパラなど世界的なイベントのプロデュースや世界的なサッカークラブとの契約など、スポーツマーケティングにおける数々の大きな仕事をされてきた満田さんが主宰するスクールです。スポーツマーケティングの本質を学べる講義や、幅広い業界のプロフェッショナルばかりの充実したコミュニティは評判が高いです。実践に近いケーススタディも豊富で、費用以上の対価を得られることは間違いなさそうです。2期までは募集が終わっていますが、最新情報をチェックしてみてください。

note.com

 

スポーツマーケティングのスクールといえば!Mars Camp

スポーツビジネス界で活躍する数多くの人材を輩出しているのが「Mars Camp」です。これまでの蓄積から、充実したカリキュラムや講師陣が魅力です。たくさんのOBもいるため、スポーツマーケティングの現場の声も聞くことができるでしょう。コロナの影響でオンライン中心になっているようですが、磨き抜かれた講義を元手に、「採用」を出口とするスクール、是非チェックしてみてください。

mars-camp.com

 

スポーツマーケティングにも変化が生まれている

ファンを増やすマーケティングではSNSの重要性が高まり、スポーツを活用したマーケティングも媒体広告から権利を活かした主体的なマーケティングの活性化など、変化が生じています。コロナの影響もありますが、今後の動向に注目しましょう。

スポーツマーケティングの基本を押さえるには、下記の書籍もおすすめです。

なぜオリンピックやワールドカップは巨大ビジネスになったのか? スポーツ・ビジネスに携わる者必読のテキスト、待望の第2版。

 

当ブログでは、スポーツビジネスやスポーツマーケティングを学びたい皆様に向けておすすめの書籍もご紹介しています。併せてチェックしてみてください!

www.itsportsbiz.work