スポーツビジネス勉強日記 | エンジニア目線で見るスポーツビジネス

スポーツビジネス勉強日記です。島根県出身で現在は相模原市在住。普段はSEをしているアラサーがスポーツビジネスについて語ります。

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スポーツマーケティングとは?2つの視点から解説

新型コロナウィルスの影響により延期にはなっていますが、東京五輪の開催もあり、「スポーツマーケティング」への注目が高まっています。「スポーツビジネス」と同様、最近よく耳にする言葉のひとつではないでしょうか。一方で、具体的に何が「スポーツマーケティング」なのか、漠然としたイメージしかない人も多いかもしれません。本記事では、この「スポーツマーケティングとは」について2つの視点から解説したいと思います。

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スポーツマーケティングとは?スポーツビジネスとの違いとは?

スポーツマーケティングとは、簡単にいえばスポーツが持つさまざまな価値を活かして行うマーケティング活動を指します。「マーケティングとは」に対する答えが漠然としがちなように、ひとことで「スポーツマーケティングとは」を説明するのは非常に難しいです。ただ、このスポーツマーケティングについて2つの視点を考えてみるとより少し解像度が上がるでしょう。

それは、スポーツチームや団体がコンテンツホルダーとして行うマーケティングと、一般企業がスポーツを活用して自社のマーケティングに活かす、この2つです。両者に共通するのは、いずれも自チームあるいは自社のファンを増やす、あるいはエンゲージメントを高めるための活動である点です。具体的にイメージしやすい例を挙げると、前者はWebやSNSなどでファンに対してチームや選手の魅力を発信し、ファンを増やしたり、より応援してもらえるようにしたり。後者でいえば、球場・スタジアムで頻繁に目にする企業の広告が典型的な例です。スポーツを活用して自社やサービスへの認知度を高める、あるいは売上につなげていくことが目的になるでしょう。自分が応援するチームをスポンサーしている企業に対してマイナスな感情を持つ人は少ないでしょう。

 

スポーツマーケティングとスポーツビジネスの違いとは?

この2つの言葉は混同されがちですが、あまり違いについては意識しなくてもよいでしょう。強いていうならば、スポーツマーケティングはスポーツビジネスに含まれる概念であり、テレワークと在宅勤務のような関係性でしょうか。「スポーツビジネスとは」については別記事で詳しく解説しているので、ご参照ください。

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「スポーツマーケティング」という言葉の特異性

「スポーツマーケティング」という言葉は、よくよく考えると少し変わった構造であるといわれています。というのも、「デジタルマーケティング」や「BtoBマーケティング」など「〇〇×マーケティング」呼ぶ際の〇〇には、基本的に「手段」にあたる言葉が入るからです。「スポーツマーケティング」は、〇〇の部分が「スポーツ」という商品になっている珍しい例です。

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スポーツマーケティングの材料となる「価値」とは?

「スポーツマーケティングとは」の項で「スポーツが持つさまざまな価値」という表現をしましたが、具体的にどんなことがスポーツならではの「価値」になるのでしょうか。

 

スポーツマーケティングの原材料①:スポーツは大人数かつ多様な人々を惹きつける

特にプロ野球を思い浮かべると分かりやすいのですが、1試合平均で2万人から3万人のファンを動員する、その集客力が大きな価値のひとつでしょう。年間で70試合もあるホームゲームでこれだけの人数を動員する「コンテンツ」は、スポーツの他のエンタメも含めて見当たらないのではないでしょうか。

コンスタントにこれだけの集客力があるからこそ、たとえばスタジアムでの広告価値、あるいはメディアを通じての露出価値があるといえるでしょう。

 

スポーツマーケティングの原材料②:ファンの高いエンゲージメント

単に集客力があるだけでなく、ファンの熱量の高さもスポーツが持つ価値のひとつです。要は、「広く浅く」ではなく「広く深く」といったところでしょうか。たとえば、ホームゲームに何回も観戦しに行くだけでなく、アウェーの試合にもお金をかけて遠征したり、応援している選手のグッズをたくさん購入したり。「必需品」とは決して言えないスポーツという「商品」に対し、感情面での豊かさと引き換えに多くのお金を落としてくれるのがファンという存在です。

ファンが持つ大きな熱量に対してスポーツチームとしての価値を提供しながら、時には間にスポーツを活用したマーケティングを展開したい企業も組み込みながら、収益を挙げていくのもスポーツマーケティングです。

 

「スポーツマーケティングとは」を理解する2つの視点

冒頭にも触れた2つの視点を理解することで、解像度が高まるでしょう。

スポーツマーケティングの視点①:ファンを増やすマーケティングとは

まずは、スポーツチームや団体、言い換えれば「コンテンツホルダー」の視点に立った「スポーツマーケティング」です。ポイントは「いかにファンを増やすか」になります。最近目立つところでは、SNSを活用してファンを増やす、あるいはファンのエンゲージメントを高める取り組みがたくさん行われています。

2020年についていえば、コロナの影響で観客動員数に制限があるため、ほとんどのファンが球場やスタジアムに足を運ぶことができません。そのなかで、試合中継はもちろん、その他にもファンが喜ぶようなコンテンツが求められており、コンテンツホルダーとしてのスポーツマーケティングにおいて、SNSの活用の重要性は増しています。SNSについては後発だった読売ジャイアンツが今ではこれだけYoutubeやInstagramを活用していることも、その裏返しといえるでしょう。

アスリート×SNSについては、以下の書籍が参考になります。

レッドブル元CMOが明かすブランドファンの獲得術を大公開! エアレース、BMXフラットランド、フリースタイルモトクロス… 数々のマイナースポーツを創成期から支え、ともに成長を続ける、 レッドブルのスポーツマーケティングと信念に迫る!

 

ちなみに、「ファンを増やす」の部分にファンのエンゲージメントを高めることも含んでいます。そのロジックとしては、エンゲージメントの高いコアなファンが新規のファンを巻き込んでくれるという視点です。スポーツに限らず、新規顧客は永遠の課題である一方、直接的に効率良くアプローチするのは非常に難しいです。一方、スポーツ観戦は複数人で行く場合も多く、1人のコアなファンが家族や友人を巻き込んでくれることで、結果的にファンを増やすことができるのです。

 

スポーツマーケティングの視点②:コーポレートマーケティングに活かす

今度は、視点をコンテンツホルダーではなく、一般的な企業に移してみましょう。特にtoCの商品やサービスを展開している会社からすると、多くのファンを抱えたスポーツチームは魅力的です。地域に根差した企業であれば、同じ地域のスポーツチームが抱えるファンは自社にとって顧客となりうる層です。

チームや選手とファンの強いつながりのなかで、自社の看板を露出することで、認知を広げることができ、これが伝統的なスポーツマーケティング(スポーツの価値を活用したマーケティング)です。もちろん、これだけでも球団やクラブ、そして企業にとってもメリットはありますが、スポーツに限らず単なる媒体広告の価値が見直され始めています。

そこで近年注目を浴びているのが、「アクティベーション」と呼ばれるスポーツマーケティングの一種です。スタジアム周辺のブースなどでスポンサーとなっている企業がサンプリングなどのマーケティング活動をしているのを見た経験のある人もいるのではないでしょうか。たとえば、自社のサービスに登録したファンのなかから抽選で選手のグッズが当たるといった企画もアクティベーションのひとつです。このように、従来の広告としてのスポーツマーケティングから、企業がスポンサーとしての権利も活用した、より直接的なスポーツマーケティングの活動も活発になってきています。

 

今後のスポーツマーケティングに求められている視点

視点をスポーツから外して、少し広く世の中を考えてみると、インターネット技術の発達によって情報格差が小さくなり、あらゆる商品やサービスにおいて機能による「差別化」が難しくなっています。私が参考にしているキンコン西野さんの言葉を借りるなら、「キャラ経済」という一言に集約されますが、「人検索」の時代が到来しているといえます。

その文脈において、スポーツマーケティングはそもそもが選手の「キャラ」との関係も深く試合におけるパフォーマンスだけでなく、その裏側もファンと共有していくことが更なる収益化につながるのではないでしょうか。

 

また、特にひとつめの視点、つまりファンを増やすスポーツマーケティングにおいて鍵を握るのは、「映像コンテンツ」になります。SNSとの相性がいいのはもちろんですが、さまざまな切り口から自チームの映像を活用し、ファンに届けることができれば自ずとファンのエンゲージメントは高まります。コロナで活動できていない期間に、映像コンテンツの重要性を再認識したチームも多いでしょう。そして、映像コンテンツをフルに活用するうえで押さえておくべきが「放映権」です。放映権については別記事で減給しているので、こちらもご覧ください。

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スポーツマーケティングの成功事例

具体的な事例について簡単にご紹介します。

横浜DeNAベイスターズのアクティブサラリーマン戦略とは

ひとつめの観点の事例、つまりスポーツチームがファンを増やしていくマーケティングの事例として、横浜DeNAベイスターズのアクティブサラリーマン戦略をご紹介します。

経営面でも、チームとしても低迷していたベイスターズにおいて、DeNAの参入を機に経営面でも改革が始まり、マーケティングにも大きな変化が生まれました。それがアクティブサラリーマンになるのですが、簡単にいえばスポーツが持つ「価値」の訴求の仕方をずらしたということです。プロ野球などのプロスポーツに対してどのような価値を感じるか、といった話にもなりますが、これを「プロの高いパフォーマンス」だけでなく、「プロ野球を酒の肴として友人や知人、家族との楽しい時間」をマーケティング上の価値として訴求しました。特に、ボリュームが多く、かつ経済的な余裕も出始めている中年のサラリーマンを起点に、ベイスターズブランドのビールも展開しながらファンを獲得していきました。そこに、チームとしての成績向上も相まって2010年代半ばから人気が急上昇しています。

「アクティブサラリーマン戦略」の詳細は下記もご参照ください。

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Bリーグのデジタルも活用したスポーツマーケティング

近年のスポーツマーケティングにおいて、やはり「Bリーグ」としての成功事例は注目されています。スポーツマーケティングにおいて、やはり焦点が当たりやすいのは「チーム」であり、リーグとしてのスポーツマーケティングが注目されるケースは稀です。

特にSNSを活用したファンとのコミュニケーションは群を抜いており、バスケットボールという迫力ある競技性・特徴も最大限に活かしながらコンテンツを届けています。SNS映えコンテンツを生みやすく、これがコアなファンからシェア・拡散され、新しいファンの認知・興味を獲得するという好循環を生んでいます。また、チームを超えた楽しみ方ができるのも特徴で、たとえばファンに月ごとのMVPを選択・回答してもらうなど、幅広いバスケットボールファンを巻き込んだ企画も展開。これは、Bリーグとして権益を統合し、映像などの素材をチームの枠を超えて活用できてこそ実現できるスポーツマーケティング戦略です。

 

スポーツマーケティングにも変化が生まれている

ファンを増やすマーケティングではSNSの重要性が高まり、スポーツを活用したマーケティングも媒体広告から権利を活かした主体的なマーケティングの活性化など、変化が生じています。コロナの影響もありますが、今後の動向に注目しましょう。

スポーツマーケティングの基本を押さえるには、下記の書籍もおすすめです。

なぜオリンピックやワールドカップは巨大ビジネスになったのか? スポーツ・ビジネスに携わる者必読のテキスト、待望の第2版。

 

当ブログでは、スポーツビジネスやスポーツマーケティングを学びたい皆様に向けておすすめの書籍もご紹介しています。併せてチェックしてみてください!

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